BL漫画が公立学校図書から排除される

フロリダ州ブレバード公立学校委員会は、8月27日の理事会で、春園ショウ著のボーイズラブ漫画「佐々木と宮野」の第1巻について、同区の学校図書館への収蔵を禁止した。

学区のある関係者は、青少年に「性的指向が奨励、示唆、植え付けられるべきではない」という理由で、この本が学校の図書館に置かれることに異議を唱えた。

Yen Pressはこのシリーズを英語で出版し、粗筋を次のように説明しています。

すべては、典型的な昔ながらのボーイズラブのプロットラインのように始まった。不良少年の先輩が愛らしい不器用な後輩と出会い、そのうちの1人が恋に落ちる、などだ。だが、宮野は自称ボーイズラブの専門家であるのだが、自分自身がボーイズラブの当事者であることにまったく気づいていない。つまり、彼らの物語が幸せな結末を迎えるかどうかは、佐々木次第だということだ……！

苦情には、子供たちが「年齢にふさわしくない、わいせつで露骨な内容にさらされる」ことや、「学校で同性愛に関する本を入手できることに価値はない」という懸念も含まれていた。この本はティーン向けに、Tレーティングとなっている。

本件の申立人は、『佐々木と宮野』の代わりに、『チェンソーマン』、『不滅のあなたへ』、『七つの大罪』などを提案した。

理事会の議長であるメーガン・ライト氏は、この本の内容が恋愛関係に焦点を当てていること、および右から左に読む日本式の読み方に反対した。

地区の図書審査委員会は、以前、この本がフロリダ州法には違反していないと判断し、本を残すよう勧告していたが、理事会は3対2でこの本の禁止に票を投じた。

フロリダの州法

フロリダ州下院法案1467は2022年7月に可決され、2023年1月に施行された。フロリダ州の既存の法令847.012と組み合わせると、学校図書館にはフロリダ州教育省の「有効な教育メディア専門家証明書」の保持者によって、事前承認、または審査された書籍のみを含めることが義務付けられ、そうでない場合は、職員は第3級重罪に問われる可能性がある。下院法案1069は2023年7月に施行され、学校図書館に「ポルノ的な」または「性行為を描写する」内容の本を置くことを禁止している。

昨年のアメリカ図書館協会の報告書によると、フロリダ州は米国全土の公立学校および図書館で、問題となった書籍の数でトップであり、約2700タイトルが制限または削除の提案を受けた。

ペンギン・ランダム・ハウス、サイモン・アンド・シュスター、ハーパー・コリンズなどの大手出版社のグループは、漫画の排除をめぐってフロリダ州教育当局を相手取り、憲法修正第1条の言論の自由を理由に訴訟を起こした。

背景

フロリダ州東部のギフォード中学校は、いくつかの団体からの苦情を受けて2023年3月に漫画『暗殺教室』を図書館から取り除いた。ウィスコンシン州南東部のエルムブルック学区も、保護者からの苦情を受けて、『暗殺教室』を電子図書館から削除した。この漫画は他の州でも問題に直面した。

ユタ州は8月、州内のすべての公立学校で、マンガではない、13冊の本を禁止した。これは、少なくとも3つの学区委員会が、ポルノまたはわいせつな内容として禁止した場合、ユタ州の41学区すべてで本を禁止するという、新しい法律に基づくものである。 AP通信によると、テネシー州、アイダホ州、サウスカロライナ州でも、州全体の学校図書館で本を禁止する同様の法律や規制がある。

春園氏は2016年にpixivというウェブサイトで、「佐々木と宮野」を公開した。

ああ、そうだね。同性愛者の話は、私のかわいそうな娘にはふさわしくないけど、主人公が女の子にセクハラをし続けるこの漫画は、まったく問題ないよね！

フロリダ自体が共和党の手の中に閉じ込められているよ。この法律は自由を制限し、「奇妙」とみなされるあらゆるコンテンツを禁止するだろうね。

チェーンソーマンは、良いキリスト教徒の少年です。彼は悪魔を消し去ります。保守派は悪魔を消し去ることばかり考えているのではないでしょうか。

そうですね……。異性愛者のセクハラ、人食い、残虐行為などは、まったく問題ありませんが、子供たちが同性愛者のことを読むのは絶対にいけません。

まるでミスター・ラットバーンの再来のようですが、さらにひどいですね。

また、私が読んだ中では、佐々木と宮野は出版されたLGBTQ+の物語の中で最も穏健なものの一つです。かつて言われたことに言い換えると、これらの人々がどれだけ社会的に受け入れられているように見えても、彼らの目には依然として「クソホモ野郎」のままなのです。

公平に言えば、『チェンソーマン』と、『不滅のあなたへ』は素晴らしいです。